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高露点温度の計測技術
燃料電池などの高温雰囲気での高精度湿度計測
最近、燃料電池などの評価の過程で、高温雰囲気での高精度湿度計測の要求が高まっています。測定にはいくつかの方法がありますが、より高精度を長期に渡り維持する方法は技術的に難しく問題があります。このレポートではその具体的な事例を延べ、提案を行ないたいと思います。
測定方法の種類
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鏡面冷却式露点計による測定方法
湿度のJISにおける標準湿度計として位置付けられており、湿度計としては最高精度が期待できます。表示は露点温度を表示する他、雰囲気測定用の温度センサから演算による他の湿度パラメータの表示も可能です。鏡面の温度を計測する原理から、温度センサはミラー下部に収納されている為、直接雰囲気に晒される事がありません。したがって長期に渡り経時変化が少ないデータを得ることが出来ます。光学系回路とペルチェ素子を使用しミラー温度をコントロールしていますが、ペルチェ素子等の耐熱温度が低く、また、結露等の条件を加味すると上限測定露点温度は75℃DP近辺と考えられています。
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高分子容量型湿度センサによる方法
比較的安価な高分子容量型湿度センサは耐熱温度が高く、ロトロニック社製のハイグロマーセンサでは最高200℃の雰囲気にさらしても壊れません。しかしながら、鏡面冷却式露点計に比べると5倍から10倍ほどの誤差を持っており、±1~2℃DPほどの精度です。高露点雰囲気で計測をする場合、長期的には特性変化を生じる為に校正が必要になります。重要なのはその校正方法で、ロトロニック社ではすべてのユーザーに対しメーカーと同等な校正が実現できるシステムを提供しています。一般的にこのようなシステムを開示しているメーカーは稀少となっています。
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鏡面冷却式露点計及び高分子容量型湿度センサを併用する方法
二つの方法を併用することにより、高精度で長期に渡り安定した計測を実現することが出来ます。基本的に二つのセンサを併用して同じ雰囲気に設置します。配管等ではそれぞれにバイパスなど通して設置しますが、電磁弁などで遮断できることが条件になります。低露点から75℃DP近辺までの計測を鏡面冷却式露点計にて行ないます。ただし、2つのセンサを併用することで常に器差を確認することが出来ます。それ以上の温度では鏡面冷却式露点計は故障する可能性が高いので電磁弁等で遮断します。75℃DP以上の計測は高分子容量型湿度センサを使用します。センサ雰囲気温度も120℃以上まで充分耐えることが出来ます。ここで、湿度センサの誤差を少なくする為に、70~75℃で鏡面冷却式露点計による校正の実施を提案します。多くの湿度センサは基本的に常温で校正出荷されている為、湿度センサの温度特性により高温では誤差を多く生じます。この校正はそれをキャンセルすることが出来ます。定期的に(追求精度によっては計測毎)校正することにより、経時変化を防ぐことも可能です。校正点に関しては下図を参照下さい。1点校正と2点校正を紹介します。
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湿度の供給装置と湿度センサを併用する方法
分流式湿度供給(発生)装置を基準として湿度センサを校正し、その湿度センサを用いて高温並びに高露点を精度良く計測することが出来ます。鏡面冷却式露点計が高精度の計測器とすると、分流式湿度供給(発生)装置は高精度のジェネレーターの位置付けになります。再現性は±1%rhであり、前述の1点校正及び2点校正でセンサを校正し使用します。
- 1点校正
- 2点校正
湿度の供給装置及び発生装置の解説
燃料電池評価装置には一般的に飽和槽が搭載されています。それを利用して校正を行なう事が出来ますが、発生露点温度を変化させるには飽和槽の温度を変える必要があります。その為に温度が安定するまでに時間がかかるのが現状です。又、発生露点温度は飽和槽内水温により決定します。飽和槽の制御は水温を計測し温度コントロールする方法が多く、ガス流量が変化する場合や高露点(80℃DP近辺)では誤差要因が著しく増加します。
精密湿度供給装置 Humi Towerは分流式湿度発生方法を採用しており、要求した任意の湿度においても約15分で供給空気が安定します。また、発生装置自体、高精度である為に露点計やセンサ等を併用せずに調湿空気を利用することが可能です。
▼分流式精密湿度供給装置 Humi Tower
- 精密な湿度コントロールを可能にする制御部
- タッチパネルの採用で操作感が向上。
- 長時間連続供給を可能にする自動給水槽。